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内容証明だけで問題は解決しない

2012.10.15

暮らしの問題解決アドバイザー
   行政書士 米山聖史
 http://good-solution.net/



「内容証明を出したのですが、無視されました。今後どうしたらいいのですか?」
 という相談を受けたことがあります。

 はっきり言って、弁護士さんを紹介するぐらいしか私に出来ることなどありません。
 内容証明郵便を送ってしまう前なら手はあったのですが・・・




よく話を聞いてみると、『内容証明で問題解決』などと謳っている士業者に
依頼して書いてもらったそうです。

見せてもらうと、お決まりのように『~せよ、さもなければ法的手段をとる』
と書いてあります。

「でも、行政書士には訴訟代理権がないので、とれる法的手段は限られます。
 そのことについて説明は受けましたか」と聞くと、

「何の説明もなかった」そうです。この業者は、手っ取り早く報酬を得るために
荒い仕事(=いきなり内容証明を突きつける)をしたのです。




内容証明郵便は、配達したこと+その手紙の内容を証明する手段にすぎません。

その内容を大別すると、
①意思表示のみで目的が達成できるもの
②意思表示だけでは足りず、相手の行動が伴ってはじめて目的が達成できるもの

に分けられます。

私は、①の場合には迷うことなく相手に送りつけます。これで問題が解決出来るからです。
しかし、②についてはいきなり内容証明を突きつけることはしません。




何故かというと、行政書士には二の矢・三の矢がないからです。一の矢(内容証明郵便)を
放ってしまい命中しなかったらどうするのでしょうか。

二の矢(示談交渉)・三の矢(訴訟)は、それを放つことができる弁護士さんを探してください
などと無責任に言うのでしょうか。たとえ紹介できる弁護士さんがいたとしても、内容証明の
出来次第によって、その後の示談交渉や訴訟に支障をきたす恐れがあります。

私の場合、三の矢(訴訟)の控訴審まで担える弁護士さんに相談して、内容証明郵便を送る
タイミングと内容を決めています。司法書士では簡裁第一審だけで控訴審を担当出来ないからです。




行政書士は内容証明郵便に慎重であるべきだと私は考えます。

手っ取り早く報酬を得ようなどと考える人がいることによって信用を失い、
行政書士の地位は相対的に低下していくのです。

一の矢(内容証明郵便)は戦争でいえば最後通牒のようなものです。
その後の戦(示談交渉や訴訟)も出来ないのに、不用意に矢を放つことは
愚かなことなのです。




戦にならないように知恵を出し、和平に導くのが行政書士の仕事だと思います。





                                                 以上

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